辻新思会について
辻むらの成り立ち
辻むらは今から約350年前の1672年、薩摩や中国の役人をもてなすという外交上の理由から、首里王府の命を受けた継室(国王の後妻)により公設されたといういわれがあります。
沖縄各地から集められた女性たちは、貧しい家の犠牲となって家族を支えながらも、洗練された最先端の琉装に身を包み、磨き上げた一流の芸能や料理、接遇で外交の表舞台を支えました。今に至るこれらの文化は、辻むらを抜きに語ることはできません。
辻新思会の設立
琉球王国最大の花街であった「辻」の祭祀、歴史と伝統文化の継承と普及地域の活性化に寄与することを目的として、昭和52年(1977年)「財団法人辻新思会」設立。平成26年(2014年)に「一般財団法人辻新思会」に改名いたしました。
辻新思会は、大正9年(1920年)設立の「貸座敷組合」役員と、辻で「義理・人情・報恩」に生きた女性「じゅり」たちによって設立されたことから、辻村の二柱の守護神(弥勒様・御獅子)、辻村(前村渠・上村渠)の二つのビンシーを継承しています。
おもな活動
- 旧廿日正月神事を含む伝統的な祭祀の実施
- じゅり馬まつり(行列・奉納舞踊)の復興・運営
- 辻開祖の墓での清明祭、旧盆などの伝統行事の斎行
- 地域自治会・住民との連携による文化振興・町おこし
- 花街・辻に根ざした歴史・文化の保存・紹介
- 所縁ある拝所の定期清掃、保守・管理

おもな祭祀
- 旧正月(旧暦1月1日)
- 新しい年の始まりを、祖先や神々に感謝して迎える日です。
- 旧廿日正月神事(旧暦1月20日)
- 辻(那覇)や与那原など一部地域で行われる伝統神事。「旧正月のしめくくり」にあたる日で、一年の五穀豊穣・商売繁盛・地域繁栄を祈願します。
- じゅり馬まつり(3月頃・旧暦3月3日前後)
- 那覇・壺屋や辻で行われる女性中心の伝統行事。じゅりたちの芸能・祈りを受け継ぐ文化的な祭りです。
- 浜下り(旧暦3月3日)
- 春の海で身を清め、厄を流す女性の行事。女性が海辺へ行き、潮水で手足を洗い、身を清めます。
- 清明祭(旧暦3月下旬~4月上旬頃)
- 祖先の墓前で供養を行う行事。一族が墓前に集まり、重箱料理・果物・お菓子を供えます。
- 十五夜(観月会)(旧暦8月15日)
- 中秋の名月を愛で、豊作を祝う行事。月見団子ではなく、沖縄では「田芋」や「団子」を供えます。
- 一日・十五日
- 毎月旧暦の1日と15日に行う、家庭の神々への祈りの日。1日は「月のはじめの感謝」、15日は「無事の感謝と次月の願い」。家のヒヌカン(火神)にウチャトゥ(お供え物:米・水・果物など)を供えます。


用語説明
- ビンシー
- 御願で使用される木製の箱。お供え物の泡盛や米類、線香などを入れる。
組織概要
辻新思会の理念 一般財団法人辻新思会は、かつて辻むらに生きた“じゅり”たちの御霊をなぐさめ、鎮魂するとともに、辻むらに伝わる伝統文化の保存・継承を目的に設立されました。辻のムラヤー前で開かれる旧廿日正月まつりは、かつて那覇の三大祭りの一つとして知られ、市民に愛されてきました。
私たちは、じゅりたちの鎮魂と、長きにわたり辻むらに受け継がれてきた伝統行事・芸能を後世に残すべく、これからも地域とともに取り組んでいきます。
| 名称 | 一般財団法人辻新思会 |
|---|---|
| 設立 | 1977年10月7日 |
| 所在地 | 〒900-0037 沖縄県那覇市辻二丁目8番7号 |
| 代表理事 | 上江洲 恵子 |
| 副理事長 | 平良 慶孝 |
| 理事 | 石田 律子、外間 広美、新井 俊太朗、長堂 玲美 |
| 監事 | 當間 祐子 |

沿革
| 1920年(大正9年)頃 | 貸座敷組合設立※ |
| 1977年(昭和52年)10月7日 | 財団法人辻新思会設立※ |
| 2000年(平成12年)2月27日 | 旧二十日正月お披露目行列(12年振りにじゅり馬まつり復活) |
| 2008年(平成20年)2月9日 | 民俗芸能公演『那覇・浦添 民俗芸能歳時記』国立劇場おきなわ |
| 2014年(平成26年) 4月1日 | 一般財団法人辻新思会に名称変更 |
| 2018年(平成30年)9月25日 | 第32代那覇市長・城間幹子様 献花式(共催・辻自治会) |
| 2023年(令和5年) 2月10日 | 旧廿日正月神事 波上宮参拝復活 |
※ 当会は1920年(大正9年)頃に設立された貸座敷組合の流れを汲み、前身「財団法人辻新思会」は貸座敷組合役員とじゅりたちによって1977年(昭和52年) に設立されました。
