辻旧廿日正月神事とは
旧暦1月20日は「廿日正月」といい、正月の祝い納めの日、または仕事始めの日とされています。かつての辻むらでもこの日は盛大に神事や祭りを行い、五穀豊穣、商売繁盛を祈念しました。
辻新思会は毎年旧1月20日、「辻開祖之墓」「三王女の祠」「火の神」や地域の拝所や御嶽、井戸をめぐる辻御廻りを行い、五穀豊穣や商売繁盛を祈念するとともに、じゅりたちの御霊をなぐさめています。神事は辻開祖之墓の前で奉納される「じゅり馬」の演舞で幕を閉じます。




旧廿日正月とじゅり馬
旧廿日正月まつりは、歴史の流れに翻弄されながらも華やかな辻文化を創り上げてきたじゅりたちに、鎮魂と感謝の念を込めて開かれます。
旧廿日正月神事終了後にムラヤー周辺で開かれるまつりは、辻の守り神であるミルクや獅子舞が沿道の観衆の厄をはらい、舞台では辻を舞台とする「花風」をはじめさまざまな琉球舞踊が披露されます。
まつりのラストを飾る「じゅり馬行列」では、華やかな紅型を身にまとった演舞者たちが二手に分かれ、歌三線に合わせて鈴を鳴らしながら「ユイ、ユイ、ユイ、ユイ」の掛け声とともに沿道を練り歩きます。
かつては、じゅりの親きょうだいが見物人に紛れ、自分の娘の無事を確認できる大切な日でもありました。

辻旧廿日正月神事で廻る拝所
巡拝の流れ(例)波上宮 → ムラヤーにて花の代と神獅子とミルク様への礼拝 →志良堂御嶽 → 祝女井戸 →イシカブイ → 軸 →三王女の祠 → 辻開祖之墓 →最後にヒヌカンへ感謝の祈り
この流れの中で、参加者は三線の音に合わせて「じゅり馬節」などを奉納し、踊りや唄で神々を迎え、感謝の心を表します。

- 波上宮
- 那覇市若狭にある琉球八社の一つ。海の神・龍宮神を祀ります。辻の神事では「海の守護」「航海安全」「豊漁祈願」を込めて最初に参拝することが多い。
- 辻村のムラヤー
- かつて琉球王国のナハにあった遊郭「辻」において、地域の自治や伝統神事の拠点としてきた場所。
- 志良堂御嶽
- 辻全体の御嶽であるとともに、首里中山や唐への遥拝所とされています。また、かつては久米村が管理されていたとされる唐旅への往復の航海安全祈願の御嶽でした。 辻地区内にある拝所の一つで、辻地域の守護神を祀る御嶽。神事では、辻地域の「地霊」への感謝と地域繁栄を祈願します。
- 祝女井戸
- 「祝女」が使った聖なる水場。神事では「水の恵みへの感謝」「浄化の祈願」を行います。
- イシカブイ
- 火の神や家の守り神に通じる場所で、祈りを捧げる要所。龍神様を祀っています。元は3つあったと言われています。
(元代表理事・上江洲安明氏 2019年2月24日 イシカブイにて)
- 軸
- 辻開祖とされる王女たちのふるさと首里城への遥拝所です。香炉は首里城へ向かって配されると言われています。
- 三王女の祠
- 三王女への感謝と辻繁栄の祈願が行われます。
- 辻開祖之墓
- 三王女をはじめ、辻の開祖・先人たちを祀る墓所。神事では、酒や花を供え、感謝と報恩の祈りを捧げます。貸座敷組合によって昭和2年11月11日に改築。開祖たちが高貴な身分であったことを示す「黄金の簪」がともに埋蔵されています。
- 火の神
- すべての神事が「家庭の平安」と「地域の調和」で締めくくられます。辻のふたつの集落、「上村渠、前村渠」の火の神をお祀りしています。
用語説明
- ムラヤー
- 辻新思会
- 三王女
- ウトゥダルヌメー、ウミチルヌメー、マカドゥガヌメーの3人
